ファミコン初の野球ゲームであり、スポーツゲームとしてもファミコンソフト史上初として登場した対戦型野球ゲーム。 ゲームメニューにはCPUとの対戦モードと対人戦モードの2種類がある。登場チームはセ・リーグ6球団で、パ・リーグはなんと6球団全て省かれている。 後のファミスタでさえ省かれていたくらいだから、当時のリーグの人気関係を端的に表すものとも言えそうだが。 容量の面で考えても仕方なかったのかもしれないけどかわいそうなパ・リーグ。
選手に名前などはなく、能力値が変わったりもない。投手・野手それぞれに左右の区別はあるものの登場は完全ランダムとなる。 スタミナもないし、選手交代などの要素もない。野球盤をそのままゲームにしたもんだと思えばいいだろう。 チームに愛着がある人は自分の心の中でいろいろと補完が必要だ。
ゲームはオーソドックス?な上から見た視点で、ファミスタをもうちょっと引いた感じのアングル。 バッティング・ピッチング・塁への送球が可能で、捕球するまでの守備は全自動のため自分で動かすことは出来ない。 そのほか塁上のランナーを盗塁させたりすることが可能になっているほか、ピッチングの際には牽制球を投げられるようにもなっている。 対戦する以外の部分をほとんど削減している割にゲーム内容本編には最低限必要な部分は意外と詰め込んである印象で、 ROMの容量が少ないながらも使い方がうまいのかな、という気がする。
バッティングはバットを振るだけ。バットを途中で止められるのでバントみたいなことも出来る。 ボールの飛ぶコース(パターン)が多いが総じて打球がものすごい速いことが多いため、 ライトゴロや場合によってはセンターゴロでアウトになってしまったりするのが面白い。(ちょっと納得いかないが)
ピッチングはコースとボールの速さを変えられる。高さの概念がないのでフォークボールみたいなボールは投げられないが、 3種類の緩急と左右のコース分けが出来るので三振は取れるし、タイミングを外して討ち取ったりといったことも出来る。
守備はオートなんだけど、どう考えても内野ゴロのボールを避けて外野に転がしたりとか、 フェンス直撃のボールのクッションボール処理がめちゃくちゃで無駄に進塁させてみたりとか、とにかくまともな守備になっていない。 ここが自分で動かせるorもうちょっとマシな守備だったら対戦がもっと盛り上がっただろうとは思うが、 アホ過ぎて笑って許せる部類(グラフィックによるものも多いんだろうけど)でもある。
Wiiのバーチャルコンソールでも登場するくらいのタイトルだが、野球ゲームは名作がファミコンでもいっぱい出ているんだし、 ポイント(500ポイントだそうだが)を払ってまでプレイする価値があるかと言えばそういうわけでもないと思う。 今プレイするならあくまで懐かしさに浸る、そんなゲームのようには思うんだけど、たまーにあのタイトルの音楽を無性に聴きたくなる、そんなシンプルな魅力も。