-Vision-

ファミコンでは全部で6作も登場した人気コミック「ドラゴンボール」シリーズの第4弾作品で、「ドラゴンボールZ」を舞台とするのは今作が初。 Zの初期、サイヤ人地球来襲が主なストーリーとして描かれ、ラディッツ・ナッパ・ベジータとの戦いが描かれる。ストーリーの途中にガーリックJr.編が挟まる。

シミュレーションっぽいマップが特徴で、キャラクターをマップ上で動かして目的の場所まで行くのが基本となる。 移動と戦闘にカードを使うシリーズ独特の形式で、カードの星の数が移動力となる。戦闘は移動が終わった際にランダムで発生するのでなるべく移動に回数は割きたくないところだが、 あまり移動にばかり目が行くと戦闘で困る(後述)という面白いバランスに仕上げてある。

欠点もたくさんある。移動力は使い切らないといけない(3が出たら2マスでは止まれない)とか、 キャラがちょっと離れると戦闘になったときに他のメンバーからはぐれてしまうとか。この点に関してはそもそもな話として、 わざわざマップに登場するキャラ一人ひとりを別々に行動させる必要があったのかどうかすら疑問。

戦闘ではカードの星の数が攻撃力・漢数字の数が防御力。流派というのもあり、キャラクターに一つ設定されている流派とカードに書かれている流派とが一致したときに攻撃力が上がる、 というもの。そのほか、「必」カードを出すと必ず必殺技を出せるなど、ぱっと見てわかるような作りなのは子供を意識してのことだろうか。 あまり深く考えずにぽんぽんカードを選んでいけるというのはこのシリーズの大きなウリだったと思う。

戦闘シーンがアニメーションにより展開されるのは当時小学生だった俺にとって大きな衝撃で、エフェクトもなかなか派手、キャラもそれなりに大きめでかなり頑張っていたと思う。 間合いを取ったり、攻撃にもバリエーションがあったりと、見てるだけでも充分に楽しめた。ところがここにも難点もあって、 敵の数が多い・攻撃アニメーションも1回1回にそこそこ時間がかかる…とあって、戦闘にかかる時間がかなり長くなってしまっている。

ステージごとに一定のレベル上げ作業が必要なのも致命傷。例えば最初のマップだと、悟空・ピッコロの戦闘力が400くらいから始まって、 1回の戦闘で手に入る戦闘力の平均が10くらい。ラディッツを倒すには2人の戦闘力が1000近くはないと厳しいので、単純計算で60回の戦闘が必要になる。 おそらく普通にプレイしていると、最初のマップをクリアするだけで3〜4時間はゆうに掛かるだろう。次のマップ以降でも悟飯を強くするのにレベル上げ、 クリリン・ヤムチャ・天津飯・チャオズもレベル上げ必須…と、大半の時間をレベル上げに費やす羽目になってしまう。

修行などのミニゲーム的なものもいろんなところにちりばめられているが、ゲーム進行上必要だったかといえばそういうわけでもなく。 戦闘に良いところもある反面マップや移動面に関しては褒められるところが非常に少なく、課題も多かった1作目のような気がします。 しかし、戦闘シーンをはじめとしたグラフィックの質は高く、インパクトは充分すぎるほど。

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sinth 2005.06.04 Webmaster: S.K Mail: vision_hp@hotmail.co.jp