任天堂が出した初のコマンド選択式RPG。糸井重里が監修したことでも有名になり、任天堂オリジナルの名作シリーズとなった。
ちょっと昔のアメリカをモチーフとした広い世界。町とフィールドの垣根がなく、市街地とちょっと離れた住宅街があるそれっぽい街並み。 デパートで買い物が出来る、キャッシュディスペンサーでお金が下ろせる、戦う相手も町の人だったり動物だったり。 もう全てが新鮮なゲームだった。西洋ファンタジーが主体となっていたRPGの世界にあって、こんな身近に感じる世界を舞台にしたゲームはなかなかなかったと思うんだな。
実際ゲームのバランスが良かったかと言われると、1作目に関して言えばそうでもない。敵の強さは行った場所によりばらばらで、 いきなり敵のレベルがずいぶん上がったりする場所も多いし。グラフィックも味があって非常に好きだけど、めちゃめちゃ良かったかと言われるとやっぱりそうでもない。 操作性もさすがにあまり良くはないと思う。
ゲームの面白さっていろいろあると思うんだけど、感情移入がどれだけしやすいか…システムがどれだけ良くても話がつまらないゲームよりは、 システムに癖はあっても世界やストーリーにとことんのめりこめる作品のほうが、後々思い出したときに「あのゲームは面白かった!」と思えるんじゃないだろうかと。 今でもこのゲームは素晴らしいゲームだと思うんだが、たぶん思い出としてずいぶん美化されたところがありそうだ。でも、美化されるゲームって素晴らしいと思うわけよ。
ほかの作品において「ストーリーよりはシステムの良さ」とか言ってる人間がこんなことを言うのも説得力のない話だけど、 限りなく現実に近いデフォルメされた世界とRPGがうまく絡むこのゲームのインパクトの強さ、旅をしているという部分がいつでも感じられる心地良さ。 おぼろげにでも、いつでもMOTHERの雰囲気を思い出せる。そんな心の中にいつまでもある作品のように思うのです。