SDガンダムシミュレーションシリーズの第3弾。今回は前作までのシミュレーション+アクション戦闘という流れを完全に断ち切り、 シミュレーション部分はそのままに戦闘をコマンド選択式にするという大きな変更を行った。 1ユニットも最大5体の部隊制となるなど、同じシリーズでありながら中身は大きく変わっている。
まずは前作までのウリともなっていた戦闘部分。今回は最大5vs5の部隊戦闘で、射撃・格闘の2種類の攻撃を使い分けるコマンド選択式。 射撃が通常攻撃で、格闘に関しては止めを刺した場合のみ連続攻撃が可能だが、攻撃を外したりして止めをさせなかった場合は相手の反撃に合う。 各パイロットにはレベルがあり(マップを始める前に通常兵のレベルは選べる)、相手とのレベルの違いで命中率が大幅に変わるという内容になっている。
戦闘時に関しては、ユニットの違いはHPとAP(攻撃力)だけ。与えるダメージもAP÷2+1〜APとわかりやすい(AP20のユニットなら与えるダメージは11〜20まで)。 ユニットの能力の判別はつけやすい。ユニットによって回避率が違ったりすることがないのは残念だが、そのあたりはパイロットのレベルで判断する部分になっている。
格闘攻撃をうまく使えば連続攻撃が可能なことや、 それゆえAPの弱いユニットはとことん使えないという弱点も露呈することになり、APが10しかないザクを始め、AP14以下のユニットに関しては間違いなく使えない。 上位の機種をいかにたくさん生み出すかがこのゲームの勝ち方の一番のやり方であり、ちょっと能力差が露骨過ぎたかなーと思う部分もある。
カプセル戦記好きな自分としてアクション戦闘ではないことに不満があったことは確かだが、シミュレーションっぽくなったのでこれはこれで良かったかなとも思う。 レベルの違いでの命中率が明確に違うのは面白かったが、レベル20のキャラがあまりに強すぎで戦闘が無駄に間延びするのはどうかと思った。 該当するのがシャアとかアムロとか一部に限られるので、まあジョーカー的意味合いでいいのかなーとも思うんだけど。 あと個人的にだが、ハサウェイのレベルはもうちょっと上げて欲しかった。確かに素人同然だったはずだが、せいきへい(レベル6)よりレベルが低いっていうのは…
そのほかの特徴としては、地上編・宇宙編のほかに加わったナイトガンダム編・武者ガンダム編がある。(各10マップずつ) 内容自体は自分たちのユニットは作れない(敵軍は設定で作らせるようにも出来る)、攻撃が射撃・格闘に分かれてない(止めを刺すと連続攻撃は可能)くらいで、 実際の内容が大きく違うわけではない。ストーリーモードがあるわけでもないのでおまけの位置づけに近いものがあるが、 実際やってみるとなかなか面白い。
それと、地上編・宇宙編で連邦側が全体的に不利なのは狙ったんだろうか?ユニット数の違いもそうだが、初期配置ユニットの能力差がやばすぎる。 ベースのユニットが連邦がジムIIなのにジオン側はゲルググとかありえないぞ。CPU相手ならまだしも、対人戦でこの差はかなり痛い。 そこでレベルや所持金を変えちゃうとそれはそれで面白くないしなぁ…
神なのは音楽。全体通してかなりの水準で、ファミコン後期とは言えここまでのクオリティはなかなかない。戦闘音楽・フィールド音楽はすべてのシナリオ必聴の出来。 というわけで、欠点もあるけど全般的にはなかなか楽しめる作品。アクションが苦手な人にももってこい。