-Vision-

2DRPGの元祖とも言われる見下ろし視点のRPG「ウルティマ」シリーズ第6弾のSFC移植版。 家庭用ゲームでは3・4がファミコンで出た後に5が出ずにいきなりこの6が出ているので、5での冒険の後からが語られるオープニングがぜんぜんわからなかったんだが。 ガーゴイルの侵略にあうブリタニアを救うため、再びアバタールがロード・ブリティッシュ城に降り立ち占領された各地の神殿を開放していく…という内容。

目的は上記のように提示されてはいるのだが、特にどこの神殿からクリアしなければいけないというわけでもないし、 ゲーム開始時に持っているムーンオーブを使えば主要な場所にはすべてワープでき、いきなりガーゴイルの世界にまで飛んでいけたり(装備やレベルが足りなくてすぐ死ぬと思うが)と、 基本的に自由。いろんな進め方ができるとも言えるしむちゃくちゃとも言えるが。

ダンジョン以外のフィールドは一切切り替わらないのも特徴となっていて、おかげで家や城がきちんとしたサイズで表現されている・町の広さも十分に体感できるなどのメリットがある。 同じ方式を取っているゲームとして「MOTHER」シリーズがあるが、ファンタジー系・現代(に近い)の違いはあるにせよ、冒険している感じが伝わるという部分は同じだなーと思うわけ。 このゲームの場合は建物がまた広いのがいい味を出している。

住人とはキーワードを使って会話する。キーワードの数が多く、それぞれのセリフも多いのでテキスト数が半端ない。 話す内容は人によってもちろんさまざまで、そのうち8割くらいが本筋に何ら関係のない話だったりするんだが、それがまたおもしろい。 そして、この世界の住人は普通に生活をしていて、時間帯によって寝たり仕事をしたり。こういった細かい部分までもが作りこまれていて、 住人一人ひとりに至るまで手抜きない作りをしていると感じる部分だ。

音楽も素晴らしい出来。Stonesが名曲なのでこれはいろんなところで有名だが、ロード・ブリティッシュ城の音楽やハープシコードの音楽などなど、 曲数自体はさほど多くないもののそのほかも名曲ぞろい。全体的な世界ともうまくマッチしている。

難点と言うほどではないが、何でも出来るしいろんなところに初めから行ける、そんなこの世界にどっぷりはまってしまうと、本筋を忘れてしまって何をしたらいいんだかわかんなくなるんだよな。 ”えーと、神殿っていくつ開放したっけ?”とか、まあそんな感じですよ。あと、アイテム集めが難しい。途中気球を作ったりなんだりで全国各地にアイテムを集めに行ったりするんだが、 ヒントも大量のテキストに埋もれるし、一筋縄ではいかないものが多いしでなかなか大変。

ずいぶん前に初プレイしたときは何かで断念して攻略本を2冊買ったんだが、攻略本買ってでもクリアして良かったなと思える作品だったけど、 普通のRPGというわけではないので、誰しもにお勧めできる作品ではないと思う。好きな人は何十時間やっても飽きないゲームになると思うし。 個人的にはスルメ的1本だと思うのですけどね。

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sinth 2005.06.04 Webmaster: S.K Mail: vision_hp@hotmail.co.jp