[Data]
ハード:Playstation
メーカー:メディアエンターテイメント
発売日:2002.10.27
ジャンル:アクション
実勢価格:500~1,000円(中古価格)

評価:★★☆

[Review] 2015.04.27

コロコロポストニン

 ステージを回転させて新聞配達の女の子「未来あかね」を動かし、さまざまな場所にあるポストへ新聞を配達しゴールへ向かうアクションゲーム。未来の宇宙コロニーが舞台となっており、インターネットの情報を主流として新聞配達に反対する組織と戦う。
 キャラクターではなくステージを回転させるというこの手のアクションゲームとしては有名どころに「キャメルトライ」があるが、本作はキャメルトライをベースに、ポストに配達する要素などを加えたものとなっている。
 製作は「焼肉奉行」「やきとり娘」のメディアエンターテイメント。2002年10月発売と、初代PSの中でも最後期での発売作品となった。

 左右ボタン・LRボタンでステージ自体を左右に回転させてあかねを動かす仕組み。○を押しながらで高速回転となるが、他に使うボタンがないシンプルな操作系で、あっという間に感覚をつかむことが出来る。傾きを大きくするとあかねがダッシュする。
 ステージ上には規定数のポストが設置されていて、地面に接地した状態でポストに触れると配達完了。残り時間内にすべてのポストに新聞を配達してゴールに向かえばステージ(1エリア)クリアとなる。
 画面右下にはレーダーがあり、ポストの位置が赤で表示される。ゴールの位置は表示されない。ゴール位置については、ないならないで困るが、あったらあったで簡単すぎたか?という気もするし、ここは判断が難しいところ。
  ステージ中にはスコアを稼げるコインや招き猫・残りタイムを10伸ばせる時計などのアイテムがあるほか、ステージが進むと敵キャラや針などの罠が登場。敵キャラについては ダッシュによって倒すことが出来るが、敵が発射した弾に当たったり、通常時に敵に当たると残り時間がマイナスされる。針罠についてはどの状態でも当たったら残り時間マイナス。他にも、ダッシュが出来なくなるぬかるみなどの罠が登場する。

 傾きによってのあかねの動きになれるのが結構難しくて慣れが必要。ダッシュからの空中飛び出しも癖があってかなり苦労するが、ダッシュ多用でどんどん敵を蹴散らしながら進めるステージも多く、爽快感もそこそこ味わえる作り。慣れてくるとかなり早くポストに新聞を入れることが出来るようになるが、新聞を入れるたびにあかねの「しんぶ~ん」という声が入るので、しんぶんの声だらけになることも…

 序盤は敵に当たろうが罠に当たろうが、ダッシュの感覚さえ掴んでしまえばごり押しで進むことが出来るのだが、重力が変わるステージあたりから難易度が各段に上がってくる。
 このステージでは、重力が強いために相当傾けないとあかねが前に進まず、空中に飛び出すと重力のおかげで高速で下に落ちていく。今までの感覚が全く通用しないステージとなっているが、ここにさらに一撃死の敵が登場。普通の状態ですら慣性があったりで対応が難しいのに、感覚の違うこのステージに平然と配置されており、難度を急激に引き上げている。

 ステージ数がそれほど多くなくて1ステージにかかる時間も短く、全ステージクリアでもかかる時間は2~3時間足らずというところ。クリアすると全ステージセレクトが出来るようになり、それぞれのステージをやり直して最高スコアを追ったりというプレイが可能となる。
 根詰めてプレイするような内容ではなく、操作も簡単ですんなり始められる。その半面、内容はとにかく薄っぺら。あってないようなもののストーリー・音楽も種類が少ない。

 名作キャメルトライをうまいこと使った作品だが、何度もプレイしたいかと言われるとそういう感じはしない。そこそこ面白い部分はあるんだけどなー・・・というところで、「佳作」という言葉がぴったり似合うゲーム。