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SFC短文レビュー1(過去レビュー詰め合わせ)

アースライト ★★★ ハドソン/1992.07.24/シミュレーション

 22世紀の未来世界・地球と宇宙コロニー各国を舞台にしたシミュレーションゲーム。 プレイヤーは宇宙コロニーを占領し地球に降伏を要求してきたガルト帝国に立ち向かう連邦軍として帝国軍と戦う。
 ハドソンのシミュレーションと言えば包囲効果をうまく使うことでゲームを優位に薄められる有名シリーズ「ネクタリス」があるが、 このゲームはそのネクタリスの派生形とも言える作品で、基本となるシステムがネクタリスとほぼ同じ。 ネクタリス最大の特徴である包囲効果や、ヘックス制のマップなどが受け継がれている。

 ネクタリスは架空ながら多数の兵器が登場するウォーシミュレーションで戦闘機・戦車などのユニットが中心・色使いも落ち着いたものが多い(当たり前か…)など、 どちらかというと”お固い”感じだったが、当作品ではディフォルメされたロボットが中心となり、色使いも全体的に派手目。 スーパーファミコン(というより任天堂ハード?)のターゲットが若年層にあることは当時から言われていたはずなので、 本格的なシステムながらとっつきやすい見た目にしたと考えるのが妥当か。

 移動力・射程・射撃戦/白兵戦の使い分け・包囲効果などなど、本格的なシステムを数々搭載してはいるものの難易度はわりかし低めに設定されている。 キーレスポンス・特に方向キー関連が若干悪いのは気になるが、小難しく考えずにプレイできる佳作シミュレーションって感じの印象。 個人的にだが、世界観はネクタリスのほうが若干好みではある。


アクトレイザー ★★★★ エニックス/1990.12.16/アクション

 エニックスのスーパーファミコン初参入ソフトであり、「天地創造」「ソウルブレイダー」など良質なアクションRPGを製作したクインテットの記念すべきデビュー作でもある。 当時クインテットに在籍していた古代祐三氏が手掛けた高品質なサウンドが評判となった。
 プレイヤーは力を失ってしまった神となって魔物を倒して土地を浄化し、弟子である天使とともに町を発展させていく。 魔物を倒す部分は横スクロールのアクション「アクションモード」、町の発展は神の能力(気象を操作する)を活用して町の発展を手助けする「クリエイションモード」と、 まったく内容の違う2つのモードを交互に近い形で進めてゆく。

 アクションモードは、剣を振る・ジャンプ・魔法攻撃の3つで進む典型的横スクロールアクション。基本的にごり押しでは進めないことが多いので簡単とは決して言えないが、 慣れれば何とかなる部類でボスも全てパターンがあるので、決して難しい!と嘆くほどではない。剣の振りにちょっと癖があるのでそこらへんは慣れが必要かもしれない。 あと、魔法攻撃が上+攻撃ボタンとなっていてなぜか別にボタンが割り振られず、たまにだが暴発することがあったのは気になるが。

 クリエイションモードは上からの見下ろし視点で町の発展を手助けする。やることと言えば神の能力を使って平地を作ってあげたり住民の頼みごとを聞く・ 魔物の巣から魔物が出てくるのでそれを退治する…くらいしかないんだが、だんだんと文化のレベルが上がっていき橋を作れるようになったりするし、 生活上の問題が発生したり各町のリーダーたちが悩みを打ち明けてみたり。解決方法は簡単なのだが、”住民を育てている”という感じが伝わってくる。 台詞回しのうまさがあるなぁと。

 2つのモードとも出来ることがそう多くはないので、それぞれを1つのゲームと比べてしまうと見劣りする部分はある。しかし、全体的な世界観やそれを引き立てる音楽の数々。 アクションとシミュレーションのうまい形での融合をスーパーファミコン発売わずか一月で世に送り出したクインテットの凄さがよくわかる。お見事な作品。


アクトレイザー2 沈黙の聖戦 ★★ エニックス/1993.10.29/アクション

 プレイヤーが神となって世界を救う、アクトレイザーシリーズの第2弾。今回はクリエイションモードを廃し、純粋な横スクロールアクションゲームとなった。天空上でフィールドを移動してステージへ向かうという流れは第1作と同じで、ステージへ入る際の回転エフェクト&音楽も健在だ。

 神が毎度毎度乗り移っていた?石像は羽が生えたりとずいぶんパワーアップ。前作では剣を振る・ジャンプ・魔法攻撃の3種類しか出来ることがなかったが、今作では大幅にアクションが増加された。まず剣を振る動作は正面(前回は切ってたが今回は突きに近い)のほかに斜め上に突く動作が加えられたほか、ジャンプ中に下+攻撃ボタンで下突きも出来るようになった。

 ジャンプも2段ジャンプが出来るようになったり、羽が生えたことでゆっくり斜め下に降下していく「滑空」が出来るようになっている(2段ジャンプ後自動発動)。滑空中も攻撃は可能。魔法攻撃は攻撃ボタン押しっぱなしで発動されるように変更され、前作のような暴発がなくなっているのはうれしい。が、今度は咄嗟に出せないという弱点も…。

 前作のアクションモードも動きに若干癖があったが、今作ではその癖がさらに顕著に現れる。移動(歩き)がほかのアクションに比べて極端に遅く、さらに通常ジャンプが大して前に進まない軌道になっているため、基本は2段ジャンプ&滑空をどれだけうまく使えるかがステージクリアの鍵になるが、 2段ジャンプ後に自動で滑空動作に入るのがどうしても慣れない。なぜボタン押しでの滑空動作にしてくれなかったのか。
 2段ジャンプが必要な場面が多いのはいいとして、2段ジャンプ時に足場の狭い部分が多いのも難度を無理に押し上げている印象があった。そして滑空着地後には大きなモーション(滑るモーション。自キャラが操作不能になり数キャラ分前進する)があるため、2段ジャンプで上った先で着地モーション発動→滑り落ちて死亡 なんてこともザラにある。モーション回避法もあるのだがちょっと難しい。

 ステージ自体の構成としては、敵キャラの出現場所&パターンが決まっている・ボスもある程度パターン化されているといった具合で実は前作とさほど変わりはない。ただ、自キャラの出来ることが増えた&いろんな動作が半自動で出てくるため、最初のステージから強制的にいろんな操作に慣れさせられることになる。そこが前作との大きな違いで、この操作系に耐え切れればおそらく絶妙な操作感が得られるゲームになるんだろうと思う。ただそこまでたどりつける人じゃなければ、このゲームは理不尽に難しいゲームという捉え方になるだろう。 このへんが前作よりも評価する人が少ない一つ目の要因になるのかな、と。

 もうひとつの要因は、前作で好評だったクリエイションモードをなくしてしまったこと。神が人間を育てているという感じがあって非常にいいシステムだと思ったが。 冒頭に書いた通り、天空から地上を見下ろすフィールドは健在。街などのシンボルでは天使による解説を聞くことができる。
 このへんは前作同様に多数の街が登場してそれぞれのストーリーが天使から語られることになるのだが、実際の街を見に行けるわけじゃないし魔物を倒した後の結果も天使から聞かされるだけだし、と中途半端さが否めない。フィルモア・ブラッドプールなどそれぞれの場所が印象に強く残る前作と違い、今回の場合は全ての場所があくまでクリアまでのステージシンボルでしかなく、そう考えると前作と同じようなフィールドにする必要があったのかすら疑問に思える。小さい全体マップで選ばせるだけでも良かったんじゃ?

 あれだけ特徴的なシステムだったんだから、1作だけで消してしまったのは実にもったいないと思う。クリエーションとアクションの融合、この形だけはシリーズ共通の特徴として盛り込んでほしかった。ほんともったいない。


悪魔城ドラキュラ ★★★★★ コナミ/1991.10.31/アクション

 コナミの名作アクションゲームシリーズ、悪魔城ドラキュラのスーパーファミコン第1弾作品。 スーパーファミコンのまだ黎明期のタイトルということで、ハード面でのウリとしていた拡大縮小・モザイク・回転などの要素をふんだんに詰め込んでいる。

 まずはムチの動き。本作品以外のドラキュラシリーズで基本前方向にしか出せないムチが、今回は斜め上や上に出すことが出来るようになり、ジャンプ中には真下や斜め下に出すことも出来るし、ムチを出したままぶらんと垂れさせたりぐりんぐりん動かしたりまで出来るようになっている。 ドラキュラシリーズ中では異色とも言えるこのムチの動きだが、この多彩な動きのおかげで出来たアクションが多くて面白い。

 多彩なアクションが出来るようになった陰で操作系が大幅に変更になったのがサブウエポン。今までは上+攻撃ボタンで出せたものが、今作だけはRボタンに変更されている。連射アイテムを取れば最大3連射までできるようになり、クロスが最強武器に変身することになる。その場に残って複数回攻撃になる聖水もかなりの強さを誇る。逆にムチ攻撃より弱いナイフ・軌道が相変わらず微妙で当たり判定もあまり大きくないオノがちょっとかわいそうだけど…。

 まず神なのが音楽。ステージ1から引き込まれ、終盤になると連続で登場するBloody TearsやVampire HunterなどがSFCの音源でリミックスされていて神すぎる出来栄え。この音楽だけでもプレイする価値があると思うほど。ドラキュラシリーズは音楽の良さでもシリーズの価値を大幅に押し上げたと思うが、今のところプレイしたシリーズ中では音楽のレベルが最も高い作品だ、と個人的にだが思う。そのほか、ステージ音楽に使い回しがなく雰囲気に合致したものばかりなのも好印象。

 ドラキュラシリーズは全体的に難度が高めなのも特徴だが、このゲームに関して言えば低めに設定されているようだ。 癖のある動きや攻撃をする敵が少ないのが第一。フィールドは一撃死の針が微妙なところに配置されていたりはするものの全体的に易しい作り。ボスは歯ごたえがあるが序盤はごり押しで押し切れるほどだし、後半のボスも大体パターン化されている&サブウエポンがえらく強いので、ムチだけに頼らなければけっこう楽に倒せる。

 全体のグラフィックも非常にきれいで、スーパーファミコン初期の作品とは思えないほどのクォリティ。ステージ一つ一つにきちんとした特徴があってそれを生かす素晴らしい音楽。回転を生かしたステージや拡大縮小を生かした演出。当時のハードを全て生かしたとも思える最高峰アクションゲームの世界が体感できます。 いろんなドラキュラシリーズをプレイしたけど、ここまで衝撃を受けた作品はこの作品だけだなー。


アメリカンバトルドーム ★★ ツクダオリジナル/1995.12.08/アクション

 日本ではツクダオリジナルが発売してヒットを飛ばしたアメリカ生まれのおもちゃ「アメリカンバトルドーム」(ゲームと同名)のSFC版。4人対戦型の3Dピンボールゲームで、落ちてくるボールを左右のフリッパーではじき返し、最終的に自分のゴールに入ったボールの数が少ないプレイヤーが勝利する。 マルチタップを使っての最大4人プレイが可能。

 おもちゃver.では出来なかった一人プレイ(寂しいけど出来ないこともないが)がCOM相手に存分に楽しめるっていうのは確かに大きなメリットだと思う。ゲームをプレイした感じも実際のおもちゃとかなり似せているので、さほど違和感もない。 ただ、結局のところおもちゃだから楽しいわけでって感じで、特に対人戦ではおもちゃほど白熱した戦いにはなりにくいかなーと。

 ゲームなりの味付けはされていて、4人が台を囲むようなレイアウトのオリジナルとは違った内容のステージが楽しめる「ステージクリア」モードがあり、 一辺倒な楽しみ方にはならないようにしている点は褒められる点だと思います。

 COM戦をプレイしてて思ったんだが、随分強くないか?難易度変えられるわけでもないし、超反応ってほどではないんだけど、何だかよくわからんがさっぱり勝てない。下手なだけかもしれないけど、せめて難易度変更オプションくらいはつけてほしかったかも。

 というわけで、ゲームなりの利点はそれほど多くなく。てなところです。おもちゃに比べたら場所取らないですむ…と思ったが、SFC本体にマルチタップかませりゃ結構な大きさになるか…。


ウォーリーをさがせ!絵本の国の大冒険 ★★ トミー/1993.02.19/アドベンチャー

 ものすごい数の人の中から赤と白のしましまの服を着ためがねの彼を探しましょう、という内容で大ヒットを記録した同名の大判絵本「ウォーリーをさがせ!」のゲーム版。これが流行った当時って自分は小学生だったんだけど、図書館にもあったしどこの小学校の図書室にも必ずと言っていいほどシリーズ全作品が置いてあったりしたなぁ、と。 初代シリーズと新シリーズとがあり、合計で12冊も出てたそうだ。自分が知ってるのは多分初代シリーズだけだろう。

 基本は本とまったく同じ内容。ただウォーリーを探すのではなく、ウォーリー親衛隊の一人を操作して人を探すというのが本とは違う点。 まあ、本でも最後のページにチェックリストみたいなのがあって違う人たちも探せるようになっていたんだけどな。最初にこんな人を探してねってのが画面に出てくるので、ひたすらフィールドを歩き回って探すというのが基本。

 本家は大判の本になっていて、2ページの中に人がとにかくひしめくようにたくさんいて、その中から目当ての人を見つけるという面白さでヒットした作品だ。大判の本って言っても見開き2ページだけだから、探すフィールド自体はものすごい広いわけではない。見つかりそうな大きさながら、同じ服の人が多数いたりしてなかなか目的の人が見つからない。そういった「見つかりそうで見つからない」というのがシリーズ通しての最大の魅力だったと思う。小中学生に大ヒットしたのもこの辺の要素が強いと思うんだ。

 脱線したのでこのゲームに話を戻すが、フィールドは基本それほど広くはない。1画面固定制なのは正直かなり微妙なのと、歩くスピードがかなり遅いのがネック。人の配置も似たような人がたくさんいるだけでみっしり配置されているわけでもない。最初に探す人を確認できるのだが、その後はマーチンの書斎に戻らないと確認が出来ないという点も面倒…と、本筋のゲーム部分がかなりお粗末な出来になってしまっている。

 世界観は本そのままで好感が持てるが、褒められる点がそこだけ。本は偉大だったなぁ、と思うだけなのです。


ウルトラマン ★★ バンダイ/1991.04.06/アクション

 ウルトラマンを操り、3分の制限時間内に怪獣と1対1で戦い倒すことが目的のアクションゲーム。同時期にアーケードでもリリースされていた記憶がある、と前回この場所で書いていたが、どうやら同じような内容で出ていたらしく、事実のようだった。

 SFCの発売からまだ半年ほどで出ているゲームなのだが、グラフィックはかなりの高水準。ウルトラマンの登場シーンの再現を含めて雰囲気作りはうまいし、サンプリング音声の再生によって本物の(というか撮影で使われた)ウルトラマンや怪獣の声が使われているなどのこだわりも感じさせる。

 ゲーム部分に関しては、3分間の間に敵怪獣の体力を0にしてFINISHサインが出ている間にスペシウム光線を当てるとクリア。 必殺技のゲージは時間とともに自動でたまっていき、ゲージがたまっていくと光線技が使えるようになる。たまった量によってスラッシュ光線・アタック光線・八つ裂き光輪・スペシウム光線と4種類の光線技を出せるようになる。光線技は出すとその分ゲージが減るので使い方に気をつける必要がある。

 感想としては、操作性があまり良くないのが致命的に作用していると思う。あと怪獣とウルトラマンそれぞれの当たり判定が微妙で、特に接触するときはかなりシビアな気がする。そもそもなんで接触したらこちら側が必ず転ばされるのか。何度もどごーんどごーんって転ばされるのはちょっと…。通常技の中で使える技が大ジャンプ後の急降下キックくらいしかないため、ほとんどの怪獣に対して急降下キックの繰り返しになってしまい、全体的に単純作業になりがちなのも問題あり。

 スペシウム光線を当てるまでがちまちま攻撃を当てる必要があるし、FINISHサインが出てからちょっと時間がかかると回復されてしまってスペシウム光線が無駄に終わることもあったりして、このへんのシステム周りはもうちょっと何とかできなかったのかなーと思う。ブルトンステージ以降の難易度急騰にも泣ける。あんな正攻法使えない怪獣を序盤に置かないでよー…

 書き直す前にブルトンステージで詰まるって書いてたんでもう1回チャレンジしてみたが、やっぱりブルトンで詰まる。バリア難しいよー


SDガンダムX ★★★ ユタカ/1992.09.18/シミュレーション

 ファミコンでは5作+αの作品が登場してヒットを飛ばしたSDガンダムシミュレーションシリーズ、そのスーパーファミコン進出第1弾タイトル。ファミコンではずいぶんと試行錯誤を繰り返してシステムを大幅に変えていたシリーズだったが、今回は初代「スクランブルウォーズ」&2作目「カプセル戦記」のシステムである、 シミュレーションマップ+戦闘はアクションという内容に戻ってきた。

 シミュレーションマップ部分はヘックス制となってファミコン版の同シリーズとは違ったものとなったほか、マップも宇宙/月などの複数マップが登場するなど大幅にパワーアップ。戦闘は最大7体が入り乱れるものとなってグラフィックも全体的に大きく向上しているといった具合で、正当後継作品らしい進化を遂げた作品になっている。もちろん登場ユニット数も大幅に向上しており、F91関連のユニットも参戦するなどしている。

 カプセル戦記なんかは連邦軍とジオン軍を選べば良かったのだが、今回は参戦作品が増えた関係で、ゲームスタート時に軍を選ぶという方式を採用した。新旧合わせて5つの軍(連邦/ジオン/ネオジオン/ティターンズ/クロスボーン・バンガード)から選択できるようになっているのだが、まあこれがわかりにくい。だって文字じゃなくて旗で選ぶんだもの。ガンダム見てる人ならわかるだろうと思うかもしれないが、連邦・ジオンはまだしもクロスボーンとかなかなか覚えちゃいないと思うぞ。ティターンズとエゥーゴのマークをごっちゃにしていた自分が言うのもなんだが。

 基本は対人戦だろう。選べる項目が多く、総ターン数や資金・1ターンに動かせるユニット数などを細かく指定することが出来る。マップも基本マップが8つにその中の星や衛星マップの都市・ベースの数まで変えられる。いろんなパターンが楽しめるようにはなっているのだけれど、 いっそのこと基本マップを増やしたほうがわかりやすいしさらに飽きない、もしくは飽きないように”見せる”効果があったのでは、という風にも感じるんだが、容量の問題かもしれないのでぶつぶつ言うのは野暮だろう。

 戦艦と対するときは自分では動かせないオート戦闘になる。カプセル戦記のときには戦艦とモビルスーツがほぼ同じ大きさで撃ち合うというおかしな状態になっていたのでそこは改善したものの、今度は戦艦が弱体化してしまい、近接戦闘に持ち込まれた時点で終了と言わんばかりの弱さになってしまった。動かすくらいは出来ても良かったんじゃないだろうか。

 ガンダムをかなり知ってる人向け。知らない人はゲームスタート前で詰まる危険も孕むが、内容自体は硬派にうまくまとまっている印象。FCの同シリーズではまった人・シミュレーション好きなら損はしないのでは。


SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語~大いなる遺産~ ★★☆ エンジェル/1991.11.21/RPG

 もともとはカードダスで登場した「騎士ガンダム」シリーズ。その世界観をそのままRPGにした同シリーズのスーパーファミコン第1弾作品。 ファミコンでも3作発売されているが、基本システムやグラフィックなどに共通点はほとんどないがストーリーはほとんど同じ(最初の2作を1つにまとめた感じ)。ゲーム中で実在する171種類のカードダスが買え、それをコレクションとして見ることが出来る。

 特徴はこれといって特にない。2D見下ろし型のフィールドに戦闘はフロントビューのドラクエスタイルを採用。キャラがやたら小さくこじんまりとしていて、FC版の2作目「円卓の騎士」はもっと大きなキャラだったのになぁ…とか思ったりもするが。音楽は全体的にほわんほわんした感じで、いいか悪いかは別として印象には残る。ストーリーは全4章。カードダスも全4章に分かれていたそうな。自分は覚えちゃいないけど…

 カードダスを集めるほかに、集めたカードダスを使う手段として、カードダスのキャラを実体化させて敵と戦わせる「コール」という魔法がある。せっかくの面白いシステムだったのだが、まず魔法を覚えるのに隠しダンジョンに行って書物を入手しなければならないってのがそもそもおかしい。 一番早くても手に入るのが2章・自分なんかは知らなくて4章で手に入れたんだけど、4章で手に入ったところで自分も敵も強いから、使えるキャラがそもそも決まってきてしまう。能力の低いカードダスは結局コレクションアイテムにしかならないわけよ。せっかく171種類も集められるんだから、全てのカードダスをうまいこと使わせるようなシステムに出来るとなお良かったと思う。

 うちでプレイしたときにはたびたびバグが発生したゲームだったが、一番最たるものが3章のバグ。3章はアムロ一人で始まりその後ニュー・ZZ・Zなどが仲間に加わる章になるはずだが、2章のプレイヤーキャラ・ネモやセイラが仲間に残ったままになっていて、その後仲間に加わるはずの3人衆は仲間になるイベントが発生するだけでパーティーに加わらず、ものすごい苦労した苦い?思い出がある。調べたところ、3章から1章にワープできるバグがあるそうで、それの亜種か?と思ったりする。

 前にこのレビューで「母親がオート戦闘でラスボスを倒した」という微妙な逸話を紹介したが、つい最近このことについて話を聞いてみたところ、暇で随分レベル上げをしたらしい。それでも自分がプレイした際は大してレベル上げせずに倒せたのでやっぱり強くはないんだろうと思われる。今度再プレイして確かめてみたい。ラスボスよりもサイコゴーレムの強さに泣いた記憶しかないんだよな…

 ナイトガンダムの世界観はそれなりに表現されているし、特徴はないけれど別に破綻もしていない、まあ無難といえば無難な作品。3章のアムロ編(とくに序盤1人で旅するところ)の難易度の高さ・あと移動速度が遅いのはちょっと辛いかもしれないが。


F-ZERO ★★★★☆ 任天堂/1990.11.21/レース

 26世紀の宇宙を舞台に、浮遊する高速の機体を操る3Dレースゲーム。スーパーマリオワールドとともにSFC本体と同時に発売された、いわゆる「ローンチタイトル」ソフト。ローンチタイトルって言葉自体は最近になって耳にするようになったけど、これっていつぐらいから言われている言葉なんだろうか?

 とにかく、SFCの処理能力を生かした圧倒的なスピード感。このゲームの大半の要素がこのスピード感を表すためにあると言っても言いすぎじゃないと思う。スクロールのうまさ・コースや世界観のうまさ・全てがうまくかみ合ってこの絶妙なスピード感を出している。空中浮遊するマシンならではの重心操作(L/Rボタン)なんてのも取り入れ、コーナリングをさらに面白いものにしている。

 スーパーマリオワールドでも、SFCだからこそ出来る演出ってのはかなり取り入れられていた(回転・拡大縮小など)んだが、取り入れ方がうまかったのはこちらの方。横スクロールアクションとハイスピードレーシングでは同じ回転でも印象は違うとは思うんだが。ロンチタイトルは、ハードの凄さを示す重要な役目を持つ。そう言った意味では、このゲームがSFCにもたらした影響は非常に大きいと思うのですよ。

 普通に走るだけじゃなくて、イチかバチかの逆転要素「スーパージェット」も面白かった。こういう世界じゃないとまずゲームに入れることすら難しいんだが、 違和感のないシステムになったのもこの近未来な世界があるから。何気ない部分だけど、さすがって感じがする。

 こういう近未来系レースゲームは次世代機と呼ばれた世代のハードから随分な数が出てきたけれど、このゲームを超えるほど面白いゲームが果たしてどれだけあっただろうか。グラフィックじゃない、真の面白さがあるゲームのような気がします。発売から15年が経ってもまだまだ色褪せない初代の輝き、未プレイの人にはぜひぜひ体感してもらいたいものです。


F-1 GRAND PRIX ★★☆ パック・イン・ビデオ/1992.04.28/レース

 タイトルそのまんまだが、上からの見下ろし視点を採用したF-1レーシングゲーム。まだ決勝の台数が26台だった時代ですなぁ…。時代が時代なので、マクラーレンとウイリアムズ・あとフェラーリが圧倒的な強さを誇る。マクラーレンにはあのアイルトン・セナとセカンドにベルガーだよ。ウイリアムズもマンセルとパトレーゼ・フェラーリはプロストとアレジ。メンバー見てるだけでも楽しいよ。

 この頃のレーシングゲームではほぼ定番だった真上からの見下ろし視点を採用。カーブの手前には標識にて曲がる方向やカーブの緩急を示してくれるようになっている。とは言え、細かい複合カーブには表示が遅れたりと正直役に立たないこともあり、コースを覚えたほうが早いかなーと思ったことも。マシンは小さくヘボい感が漂っているが、マシンの抜きにくさなどはそれなりに再現されているので、まあ時期を考えれば及第点かなって感じがする。

 マシンが壊れる・タイヤが磨耗するといった要素も組み込まれ、ダメージがあるかどうかは画面上でわかるようになっている。基本的にダメージを受けた場合、挙動が安定しにくくなってスリップしやすくなる。ピットに入れば直せるが、もちろんダメージを複数個所受けていればピットアウトに時間もかかる。普通のレースゲームではこういった要素はないので、新鮮ってほどでもないが差別化にはなっている。

 とは言っても、ピットインが勝負を左右するのは実際のF-1のように50周も60周もする場合のみということを考えると、1桁周回で終わるゲームにピットインの面白さを求めるのは難しい。F-1を名乗るなら必ず入れなければならないものではあるが、これをゲームとして面白くするのは至難の業だろうなとは思う。

 この当時のスピードまでは覚えちゃいないんだが、最高速360km/hとかやりすぎじゃないかと思うんだが、こんなにスピード出てただろうか?今のF-1はいろいろなレギュレーションでずいぶんとスピードが落ちたと記憶しているが、それでもここまでの差があったかなぁと。


ガデュリン ★★★☆ セタ/1991.05.28/RPG

 SFCでは初となるコマンド選択型のオーソドックスなRPG。PC98で発売されたRPG「ディガンの魔石」が元となっているようだが、世界は同じでもストーリーは全くの別物だそう。 音楽は「ディガンの魔石」の音楽が使われていたりするとのことだが、未プレイのため確認できず。

 ストーリーは、宇宙探査船に乗っていたリュウが惑星ガデュリンに不時着。地球に帰る方法を探して惑星ガデュリンを旅する…といった具合。もともと確立している世界観ということなのか大きな破綻もないし、グラフィックも出た当時を考えればなかなかに美麗な水準にある。 音楽は相当良い。特にボス戦の音楽やエドナの神殿の音楽などが上げられるが、SFCの超初期とは考えられないほどクォリティが高い。このあたりは聞く機会があればぜひとも聞いてほしい。

 システム面はごく一般ながら、自動で全回復してくれるシステムがあったり(もちろんMPやアイテムは使用する)、武器や防具に重さがあったりと細かいところでのこだわりはある。セリフに誤字脱字がかなり多かったり操作性は正直いまいちだったりと、気合が入っているところと抜けているところがはっきり分かれるのは微妙だ。

 特筆すべきは戦闘関連で、まずは豊富なコマンド。逃げるからして3種類(そっこう・くらます・ばらまき)あるほか、敵の攻撃に対してカウンターを入れる「ゆうげき」・ さらには敵と交渉(しかも物を与えたり説得したりと複数コマンドあり)して仲間に引き入れたりできると盛りだくさん。仲間に入れた敵は戦闘中に召喚して使うこともできる。実際に役に立つことはほとんどないと思う(成功率があまり高くないので仲間に入れにくい)が。

 そのほか、飛ばされてる間はガード不可・相手への攻撃不可になる「つきとばし」(1ターン)「ふっとび」(3~4ターンくらい)があったり、 通常攻撃を4回連続で繰り出す「げきれつヒット」「つうれつヒット(敵が出すとこの名前)」・さらには行動するごとに消費するスタミナ(なくなると攻撃を食らっただけでふっとぶ)など、 まあよくも思いついたものだと言わんばかりに実験的なシステムを多数詰め込んでいた。

 極めつけなのは、防御力無視&通常攻撃の実に12倍ものダメージを与える「極めの一撃」で、序盤なのに極めの一撃を繰り出すと1000以上のダメージが当たったり。さらには敵にも同じような効力を持つ(こちらは10倍だと記憶していたが12倍かもしれない)「涙の一撃」があり、これを出されるとザコ敵からだろうがたいてい一撃で葬られる。この稀に訪れる涙の一撃の恐怖がトラウマになった人もいそうだ。自分の中では、最初のボスにいきなり涙の一撃を出されたときにはこのゲームやめてやろうと思ったが。

 …と、とにかく戦闘面ではかなりのオリジナル要素を詰め込んではいたのだが、さてさてこれを全て活かしきれていただろうか…と考えてみると、ふっとび要素は面白いが行動のたびに画面が揺れるエフェクトが入るなど戦闘が無駄に間延びしているし、敵を仲間に出来る要素の上記の通りあまり使えた印象がないし、3種類の逃げるも結局違いが明確になってなかった。臨場感を出すためか、攻撃の際に「ぼうぎょさせない!」「ぼうぎょできない!」などのメッセージが頻繁に入るようになっているが、これも実際問題テンポの妨害にしかならなかったんじゃないかとも思える。

 まあ欠点はいろいろ出てくるんだけども、完成された世界観とグラフィック・音楽にひたすら救われた感のあるゲーム。あまり売れたゲームではないと思うが根強いファンは多く、これだけうだうだ言っていた自分の中でも、このゲームは割と面白かったゲームに位置づけられる。確か発売して大して日を置かずに購入した記憶があるんだが、思っても見なかった掘り出し物を見つけたような地味な感動があったりしたよ、このゲームには。


餓狼伝説SPECIAL ★★☆ タカラ/1994.07.29/格闘アクション・2D

 SNKの大ヒット格闘アクションシリーズの第3弾をSFCに移植した作品。前作「2」で8人だったプレイヤーキャラだが、今作では三闘士&クラウザー/ダック・キング/タン/ギースが加わって15人となり、プレイヤーキャラがほぼ倍になった。システム面では通常技から必殺技へのコンボ攻撃が出来るようになったりするなどしている。SFC版だけの要素としては、対戦相手としてはアーケードでも登場していた龍虎の拳のリョウ・サカザキがプレイヤーキャラとしても使えるようになっている。

 まず、自分はアーケードのこのゲームをリアルタイムでプレイしていたわけではない。でこのゲームをまずプレイしてからアーケードを見たわけだけども、一番違うなーと思ったのはやっぱりグラフィック。全体的にずいぶん迫力があるなーと思ったのがアーケード。キャラの大きさが一番だろうか。SFC版だと、どうしてもキャラ一人ひとりの線が細い感じがしていた。

 サウンドはドルビーサラウンドを採用しての高品質なサウンドをウリにしていた。まあ前作よりは相当良くなっているとは思うのだが、 SFCの音源っていう時点で高音質にも限度があり、わざわざドルビーサラウンドにする意味があったのかどうか、個人的にはかなり怪しい部類だと思っている。 さほど音楽面を重要視されないジャンルの中にあってこのサラウンドを採用したタカラの勇気は買いたいけど。

 移植度云々と言う話になると、両方きちんとプレイしていない自分には判別できない部分になるが、NEO-GEOでは150メガもあった作品をSFCで32メガに抑えなきゃならなかったってのは非常に辛いものがあったと思う。そう言った意味では、プレイヤーキャラを全員出演させた上でリョウ・サカザキも使えるし、NEO-GEOよりも更に一般家庭向けのハードで出すという部分においてきちんとした追加要素も取り入れているということを考えていくと、 これは実にいい移植だったのか?という気がしなくもない。

 自分が餓狼シリーズに明確な思い入れがないので星の数があまりつけられないが、SFCの格闘ゲームという枠で考えたときには非常にいいゲームであるように思う。今のごちゃごちゃしたシステムに飽きてる&難しすぎてやってられない なんて時にふらっとプレイすると意外と面白い。


グラディウスIII ★★★★★ コナミ/1990.12.21/シューティング

 SFC史上初のシューティングゲームとなった、コナミの大ヒットシューティングシリーズ・第3作目のアレンジ移植(あえてこういう表現を使いました)作品。このゲームを語られるときによく話題になるのは「アーケードと極端に異なるゲーム内容」ってところで、カットされているステージがある・難易度が極端に抑えられている・まあいろいろ言われたものです。

 シューティングが苦手な自分にとっては、クリアにさほど苦労しない難易度でさくさくと進めるこのゲームの存在価値は非常に高かった。 裏技でARCADEモードというのも出てくるが、こちらはかなり難しい。(アーケードプレイヤーに言わせるとあれでも簡単らしいが、個人的にはこの難度でもうダメ) ちょっと裏を書かれたがコナミコマンドも用意してくれたり、エナジーレーザーがありえない強さだったりと初心者向けにしすぎた印象もあるが、SFC黎明期にこの完成度のゲームを出した(しかも容量4M)ということをまずは褒めてあげたいところなんです。

 グラフィックが時期を考えるとかなり上質、そしてサウンドがまた素晴らしい。ボスラッシュの専用BGMをはじめとした高品質なサウンドは必聴。こんなクォリティをSFC登場わずか1月で出せるのが凄すぎる。SFCのシューティングってなかなかいいゲームが少ないもんで、このゲームが果たした役割は非常に大きいと思うのですよ。

 SFCというハードそのものの特性(購入ファン層など)を考えたときに、SFC初のシューティングであるこのゲームがアーケードと同じ超難易度で登場した場合にどういうことになったか、ここは容易に想像できる部分だろう。あえてアーケードの出来上がった枠を壊してまで家庭用に大幅にアレンジを加え新しいグラIIIを築き上げた姿勢、それが今でもSFC版はSFC版として愛するファンが多いっていうことだと思うんですよね。もちろんアーケードはアーケードで面白いと思うのよ。難しすぎて歯が立たないけど。


3次元格闘ボールズ ★☆ メディアリング/1995.04.28/格闘アクション・3D

 全身が球で形作られた物体を操って1vs1で戦う格闘アクションゲームで、SFCでは初の、そして唯一の3D格闘アクションゲーム。 バカゲーとしてはそれなりに有名な作品であろうかと思う。見ればすぐわかると思うが洋ゲーの移植作品で、原作タイトルは「Ballz 3D」・製作はアメリカAccorade社(→現在はフランス・Infogrames社が買収、その後社名がATARIになっている)。

 タイトルの曲からしていきなり脱力。「ぽよーん あぁーん ぽよーん」とかいう意味わからんサウンドで始まる。 ゲームメニューはアーケードモードと一人用のフリー対戦モード・2人対戦モードの3種類と少ない。オプションもあるが、難易度変更やキーコンフィグくらいで目立ったオプションはない。

 基本システムは、パンチ・キック・ジャンプをボタン操作し、手前・奥を含めた地上移動を全て十字キーで行う。手前・奥に自由に移動できるというこのスタイル、後の「TOBAL」や「エアガイツ」「ソウルキャリバー」にも通じる画期的なシステムで、もしかして本格採用したのってこのゲームが初か?なんて思ってみたり。簡単操作を目指していたようで、必殺技関連は全て→→・↓↓など簡単なコマンドになっている。ちなみにガードはなく、完全な攻撃の出し合いに終始せざるを得ない。

 システム自体は画期的だったが、ゲームそのものは微妙というか非常に大雑把な出来。上記の通りガードがない・攻撃の当たり判定が全く判別できない・ジャンプが前に跳ばずほぼ使いものにならない・キーレスポンスがとても悪くてストレスがたまりやすい…といった具合。対戦開始時も掛け声も演出も何もなくいきなりスタートするし、勝ったときも演出らしい演出もなく勝ったほうが踊り、負けたほうは砕けてバラバラに…と、3Dにしたこと以外の部分が全て手抜きな印象。

 せっかく基本システムが時代の先を行っていたのに。いろんなテイストが、さらにゲーム本編のだめっぷりが、さすがは洋ゲー。と思ってしまう作品なのであります。300円くらいなら買って笑えるだけいいかもしれないけどねー…。


サンリオワールド スマッシュボール! ★★☆ キャラクターソフト/1993.07.16/アクション

 ハローキティなどでおなじみ、サンリオのキャラが活躍するエアホッケー風ゲーム。プレイヤーキャラはけろっぴ・はんぎょどん・たあ坊・ぽこぽんから選択可能で、いろんな仕掛けが施されたステージ上でパックを打ち合って相手側のゴールに入れたほうが勝利し、これを3セット先取すると次のステージに進める…といったゲーム内容。ステージを延々クリアする一人用モードと対人戦が出来る対戦モードがある。

 エアホッケーと違うのは、自キャラ・相手キャラがそれぞれステージ内を走り回るという点にある。自分の陣地のみで自由な動きが出来たエアホッケーと違い、相手側陣地まで入って行って強引に打ち合いに持っていったり出来るのはこのゲームならではの強みだろうと思う。ステージによっては進入禁止の×ブロックがあったりもする。こういった点はエアホッケーというよりテニスに通じるものがあるかな?

 操作はY・Bボタンで左右のショット。ショットボタンを押しっぱなしにするとパワーが溜まり、最大まで溜まると真上に高速・一直線で飛ぶ必殺攻撃「スマッシュ」が打てる。それぞれの陣地には壊せるブロックがあってガードされているので、そのブロックを早くなくしてスマッシュで止めを刺すのが戦いの基本。

 ステージは30(1人用。2人用は専用ステージ20)。序盤は進入禁止地帯も無い打ち合いステージが多くステージ上のギミックも少ないが、終盤になるごとにステージ上のギミックがいろいろ増えてきて、一定時間ごとに出現・消えるを繰り返すブロックや、 巨大回転バー・ショットの方向を微妙に変えるプロペラなどなど数々のギミックが登場する。途中中ボス的存在でブタのキャラ「エバリブー」が登場。(裏技を使うとプレイヤーキャラにできる)

 次に難点だが、これもステージ上のギミック。進入禁止地帯の中にパックがはまってしまうことが多いように感じる。あとギミックのせいでパックを打てない状況になることも。単純にラッシュで打ち返す楽しさがこのゲームの真骨頂なのではないかと思うのだが、こういったステージ上の問題でパックを打つのに苦労する・時間がかかるというのは、やっぱりステージ構成を個性的にしすぎたのかな?という気がする。

 ステージの数を無駄に増やすよりは、ゲームメニューを充実させたりとか、使えるキャラクター増やすとか、 そういうところに重点を置いたほうが良かったんじゃないかなーとか思ったりするわけなんですけど。せめて進入禁止がもうちょっと少なければなお良かったと思うんだが。基本は対人戦のゲームだしな、と。あくまで暇つぶし系ソフトでしょう。あとグラフィックはもうちょっと何とかできなかったのかと…


Jリーグ エキサイトステージ'94 ★★★★☆ エポック社/1994.05.01/スポーツ・サッカー

 エポック社発売のJリーグサッカーゲーム第1弾。94年参入のジュビロ・ベルマーレを加えた12チームが登場する。Jリーグ誕生間もない頃に乱発?したサッカーゲームの中にあって、シリーズ通しての完成度の高さはピカイチだった。当時小学生~中学生だった自分が対人戦で最もアツく対戦できたサッカーゲームシリーズだと思う。

 まず特徴となっていたのが「フォーメーションエディット」機能。選手の配置がマス目上になっており、チームごとにデフォルトのフォーメーションがあるが、そのフォーメーションを自分で好きなように動かして配置することが出来る。まあ当時小学生だった自分はあんまり意味のわからない機能だったのだが、今になってこれは面白い!と再評価するような有様なんだけども…。ただフォーメーションを変えるのに、メンバー選択画面でセレクトボタンを押すってのは説明書が無い人には辛い仕様だったんじゃないか。次の'95ではメニュー画面みたいに選べるようになったからいいけど。

 次にゲームの中身だが、とにかく言えるのはスピード感があった。特にダイレクトボレーやヘディング関連は動きも多彩でしかも出しやすい、カーブもかけられるので多彩な攻めが可能…と、初心者には簡単操作を、上級者にはダイレクトでがんがんボールが繋がるスピード感とを併せ持った素晴らしいシステムを採用している。グラウンドパスも選手に向かって出すものと方向を定めて出すものと2種類あるので、スルーパスが簡単に出せるっていうところも大きい。

 ゲームメニューはエキシビジョン・リーグ戦・オールスターとおなじみのメニューが並ぶが、特殊だったのがトレーニングとサロンフットボールモード。トレーニングはドリブル・シュート・コーナーキックなどの与えられた課題をクリアし得点を出してくれるというもの。サロンフットボールモードは、4面壁つきでスローインがなくフィールドが狭い「壁つきフットサル」みたいな内容。ファールも出し放題というむちゃくちゃ加減が面白い。

 SFCのサッカーゲームのまさにスタンダードだった。PS以降のハードではウイイレシリーズにその座を譲ったが、今なお残るこの絶妙なスピード感は体感の価値あり。欲を言えば、95以降のシリーズであまり進化した感じが無かったんだよなぁ。それだけ1作目が完成されてたって事なんだろうけども。


Jリーグ エキサイトステージ'95 ★★★★☆ エポック社/1995.04.28/スポーツ・サッカー

 前作からほぼ1年後に発売されたエポック社のJリーグサッカーゲーム第2弾。95年新規参入チーム・セレッソ大阪と柏レイソルを加えた全14チームが登場する。

 フォーメーションを自由に構成できるというシリーズの特徴がさらにパワーアップ。前作ではチームごとにフォーメーションがデフォルトで1種類決まっていたが、今回はまず基本フォーメーションを数種類から選択した上で細かく配置を動かしたり出来るようになった。配置を変えるのもメニュー画面が出来たので変えやすくなったし、全体的に推していると思われる部分が更にわかりやすくなった。

 ゲームメニューにはトーナメントモードとドリームマッチモードが加わった。トーナメントモードはそのものずばりだが、 最大で14クラブ(要するに登場全チーム)まで参加できるトーナメント対戦が出来るモード。ドリームマッチモードは他ゲームのオールスターモードに近いもので、 各クラブから好きな選手を選んで戦えるモード。決めるのが面倒な場合はランダムで決めることも可能になっている。

 あと加わったものとしては、オフサイドができたことやキーパーをプレイヤーで動かせるようになった(スタメン決定画面で選べるようになっている)ことなどがある。 オフサイドはフォワードのポジション取りが悪いせいなのか、オフサイドの山を築くことが結構あって困る。これなら無くても良かったのでは、と思わなくもない。今のリアル系サッカーゲームならまだしも、この頃のある意味ハチャメチャさもウリの内容だと、ないほうが逆にゲームとしては面白いのかも。オンオフが効くので、いっそのことオフにしてしまっても面白い。

 '94のサロンフットボールモードはトレーニングモードのひとつとして再登場。相変わらず本編よりもこっちを中心にプレイしていた。やっぱり楽しいよ、このモード。

グラフィックはそこまで大幅に変化しているわけではなく、1年たって大きく進化したかと言われるとそうでもない。ファミスタやワースタの進化が毎年こんな感じだったが、データが変わることに価値を見出せないとなかなかねえ。それでもチームが増えていくってところは野球とは違った楽しみがあるけどもね。まあこれも今だから言える話で、当時は94が面白かったから毎年買っちゃった自分がいるんだけどさ…


Jリーグ エキサイトステージ'96 ★★★★☆ エポック社/1996.04.26/スポーツ・サッカー

 エポック社発売のJリーグサッカーゲーム第3弾。SFCでの今シリーズはこれが最終作。96年度から加入した京都パープルサンガとアビスパ福岡を加えた全16チームが登場する。
 前作で既にほぼ完成されていたゲームであるということ、グラフィック関連に明確な進歩が見られないこともあって、基本はマイナーチェンジのまま3作進んでしまった感のあるゲーム。それでも基本が面白いなので、どれをプレイしても楽しいことには変わりない。

 新しく加わったゲームメニューは勝ち抜き戦モードで、他のクラブと次々に対戦するモードとなっている。代わりに'95にあったオプションメニューが消えたが、COMの難易度以外はゲームモードを選んだ段階でも変えられるようになっていたので、まあうまく潰したってとこだろう。そのほかについては'95と全く同じ。相変わらずトレーニングAの壁つきフットサルが楽しい…って毎回言ってるな。

 選手の動き等については、Xボタンを押しながらボールに近づくと出来る、足からボールを離しつつのドリブルが加わった模様。これしか自分では確認できなかった。 そのほかはおそらくあまり変わってないものと思われる。もともとあるスピード感は今作でも健在で、さすがといった感じ。

 '95の時もそうだったが基本はマイナーチェンジの作品で、今プレイするなら'95か'96、思い入れのあるほうで選んで構わないと思う。結局のところ、チームが2チーム増えた以外に'96じゃないと!っていう部分はなかなか見つからないんだよな。それがこのシリーズ全体の”変わらないいいところ”でもあり、”変わらないからこそのデメリット”にもなっていると思う。これだからシリーズ作品って本当に難しい。 変わらなきゃ変わらないでつまらないし、変わりすぎるとシリーズじゃない印象になっちゃうし。


Jリーグサッカー プライムゴール ★☆ ナムコ/1993.08.06/スポーツ・サッカー

 サッカーゲーム初のJリーグ公認ソフトで、SFC初のJリーグサッカーゲームでもある。シリーズ化されたナムコサッカーゲームの看板的存在だった。まあファミスタという野球の看板タイトルが既にあったので、無理やり看板タイトルに仕立て上げた感がなくもないが…。 Jリーグ初年度の10チームが登場する。

 サーチパス・シュート・センタリングなどの一通りの操作が簡単に出来るようにはなっている。ただスピード感がなくキャラも全体的にこじんまりとしていて、出た時期が時期だと考えてもちょっと辛い出来。守備に行こうと思った時に限ってプレイヤー操作にならなかったり、そのあたりの切り替えがどうも中途半端。

 プライムゴールシリーズの特徴となっていたのが、1対1の時に入るビジュアルシーン。ドリブル側・守備側それぞれが十字キー+Aボタンを押し、その方向が合った場合は守備側がボールを奪える、合わない場合はドリブル側がよけてプレイ続行となるもの。採用したのはこのゲームが初でおそらく最後だろうし、差別化には十分すぎるほどのシステムだったが、まずそもそもJリーグのゲームが初なのに差別化が必要だったか?というのがある。既存のワールドサッカーゲームともわざわざ分ける必要があっただろうか?

 それと、もともとスピード感が薄いのは先ほど書いたとおりだが、スピード感が薄い上に1対1になると強制的に試合の流れが止まってビジュアルシーンになってしまうので、スピード感のなさが更に際立つ結果になってしまう。ボールを奪えるかどうかがプレイヤーの腕に関係ない完全ランダム要素というところも個人的にはえらく疑問だ。

 そのほか、試合中に選手の交代は一切不可・イエローカード等がないのでファールはあるが警告は一切出ないなど、サッカーゲームとして致命的な欠点もちらほら。ミニゲームとしてリフティングゲームが収録されていて、まあこれはこれで面白い。ていうか、そんなもの入れてる暇があるんなら本編をまず何とかしろって感じなんだが…。